はじめに
委託や病院に疲れて、「行政なら楽かも?」と思ったことはありませんか?
私は保育園、給食委託会社、病院の勤務を経て、一旦働き方を見直すことにしました。
私がこだわったのは
- 子供の急な体調不良でも休める
- ワークライフバランスがとりやすい
- 安定した働き方
ここから、「行政で働く栄養士」という道を選びました。
土日祝日休み。残業なさそう。有休もとりやすい。業務も大変ではなさそう。正直、当時の私はそう思っていました。
実際に市役所(会計年度任用職員・パート)や保健所(産休育休代替え)で働いてみて感じたのは、行政は確かに安定している。でも”楽な仕事”ではないという現実でした。
この記事では、臨時職ではありますが、行政栄養士として働いて見えたリアルをいい面もしんどかった面も正直に書いていきます。
安定している勤務条件
行政の一番の魅力は、やはり安定している勤務条件だと思います。
- 土日祝は基本休み、年末年始など長期休暇が取れる
- 勤務時間が比較的決まっている
- 有休は自分で仕事を調整して申請すればとれる
- 上司の顔色を過剰にうかがう必要はない
委託時代と比べると、生活リズムはかなり整いました。この点だけを見ると、「行政はやっぱり働きやすい」と感じるのは事実です。
幅広い業務内容
私が市役所で勤務していた時は、会計年度任用職員として保健分野を担当していました。
- 保健師さんと一緒に健診結果の説明
- マタニティ教室の運営
- 窓口業務・電話対応
- 個別の栄養指導
保健所では産休・育休代替えの栄養士として勤務し、
- 健康運動教室の運営
- 離乳食教室の開催
- 地域での健康教室
- 他チームの手伝いで特定疾患の受付業務
- 窓口業務・電話対応
健康増進に関わる仕事を中心に行っていました。「栄養士らしい仕事が出来ている」と嬉しく感じる場面も確かにありました。
一番しんどかったのはクレーム対応
行政の仕事で、私が一番きついと感じたのはクレーム対応です。
- 電話での強い口調の苦情
- 窓口での罵声
- 理不尽な要求
最初にクレームの電話を受けた時は本当にしんどくて、任期まで続けれるか不安になるほどでした。段々とこれがここでは日常なんだなと分かってきて「私はコールセンターの仕事は絶対に出来ないな」と思いました。
栄養の相談とか健康支援だけをイメージしていると、かなりギャップがあります。
しかも、これは栄養士だけの話ではありません。同じ課の他職種の人たちも、精神的に追い込まれている様子を何度も見ました。
安定=楽ではない理由
行政は確かに安定しています。でもそれは「仕事が少ない」とか「ストレスがない」という意味ではありません。
- 大きなイベントがあると通常業務に加えて準備が必要
- 残業が発生することもある
- 地域イベントは土日開催が多く、必ずしも土日が全て休めるわけではない
静かで淡々とした職場、というイメージだけで入ると、「思ってたのと全然違う」と感じる可能性は高いと思います。
実は”責任と調整の仕事”が重い
行政の仕事というと、「国から発信された情報を配るだけ」そんなイメージを持たれがちですが、実際はそう簡単ではありません。
例えば、衛生管理基準が変更になったとき。
国→都道府県→保健所→病院や施設等へと情報は下りてきます。
でも実際に現場へ情報提供をすると、「これ、どういう意味ですか?」「うちの施設ではどう対応すればいいんですか?」という問い合わせが必ず来ます。
つまり、自分が内容を理解していないと説明が出来ない。
問い合わせが多くなれば、「じゃあ、研修会で説明しないと」という話になり、今度は準備や調整の仕事が一気に増えます。
行政栄養士の仕事は、書類や窓口だけではなく、『専門知識を”現場で使える形に翻訳する役”』でもありました。
行政栄養士に向いている人・向いていない人
上記をふまえて、行政栄養士が向ている人・向いていない人をまとめました。
行政栄養士に向いている人
- 新しいルールや制度に関心を持ち、内容に沿って仕事を進めるのが苦にならない
- 感情的なクレームをある程度受け流せる
- 長期的な視点で地域を支える仕事にやりがいを感じる
- 安定した働き方を重視したい
「派手さはなくても、社会を下支えする仕事がしたい人」にはむいている職場です。
行政栄養士が向いていない人
こんなタイプの人は注意が必要だと感じます。
- 人の感情を真正面から受け止めてしまう
- クレーム対応で強く心が削られる人
- 成果が見えない仕事にストレスを感じやすい
- 静かな環境を想像して行政を選ぼうとしている
「安定しているから大丈夫だろう」と思って選ぶと、メンタル面で想像以上に削られることがあります。
行政が合わなくても、それは失敗ではない
栄養士なら、一度は行政栄養士の道を考える方は多いのではないでしょうか。
行政で働いてみて分かったのは、民間と違う意味で合う・合わないがはっきり分かれる職場だということです。行政で働いて「合わない」と感じたとしても、
- 栄養士に向いてない
- 社会人として弱い
というわけでは決してありません。
ただ、「自分の特性と仕事の性質が合っていなかった」それだけのことです。
まとめ
行政の仕事は、
- 土日祝休み
- 有休がとりやすい
という大きなメリットがある一方で、
- クレームの多さ
- 精神的な負荷
- イベント前の業務集中
といった別のしんどさがあります。
もし今、行政に興味があるなら、「安定=楽」というイメージだけで選ばず、自分がどんなストレスに弱いのかを一度考えてみてほしいと思います。
行政は逃げ道ではありません。でも、合う人にとっては、確かなやりがいがある仕事です。


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